こんにちは、CalivinoのManamiです。
ワイン好きな私ですが、正直なところ数年前までは「モルドバ」という国名すら、ニュースで耳にする程度でした。ある日、友人が持ってきてくれた一本の赤ワインが、そんな私の認識をがらりと変えてくれたのです。
そのラベルには「Fetească Neagră(フェテアスカ・ネアグラ)」とあり、聞き慣れないその名前に興味津々。グラスに注ぐと深いルビー色が輝き、プラムやブラックチェリーの香りがふわっと広がりました。一口飲むと、まろやかなタンニンとふくよかな果実味が口いっぱいに広がり、まるで秋の果樹園に迷い込んだような幸福感…。それまで飲んできたヨーロッパのワインとも新世界のワインとも違う、どこか素朴で温かみのある味わいにすっかり魅了されました。
この記事では、そんなモルドバワインの歴史や特徴、世界市場での最新トレンド、家庭での楽しみ方、そして初心者が選びやすいおすすめのポイントまでを、たっぷりご紹介します。
モルドバは「ヨーロッパ最古のワイン産地」のひとつ
古代から続くワイン造りの歴史
モルドバのワイン造りは紀元前数千年にさかのぼるといわれます。黒海沿岸はブドウ栽培の起源地のひとつであり、古代ギリシャやローマの交易にも登場します。中世には修道院がワイン造りを引き継ぎ、宗教儀式用としてだけでなく、日常生活にも深く根付いていきました。
ソ連時代の「ソ連のワイン蔵」
20世紀、ソ連時代のモルドバは「ソ連のワイン蔵」と呼ばれるほどワイン生産が盛んでした。広大なブドウ畑と豊富な労働力により、ソ連全体のワインの約3分の1を生産していたとされます。ただし当時は大量生産が主で、品質より量が優先される傾向がありました。
現代のモルドバワイン
1991年の独立後、モルドバは品質重視へと大きく舵を切りました。EU市場への進出や国際コンクールへの出品を積極的に行い、現在では70か国以上にワインを輸出するまでに成長しています。
モルドバの地理と気候が育むワインの個性
モルドバは北緯45度前後、フランスのブルゴーニュやボルドーとほぼ同じ緯度に位置します。温暖な大陸性気候で、夏は暑く乾燥、秋は長く穏やか。この「長い秋」がブドウをじっくりと完熟させ、果実味豊かで酸味のバランスがとれたワインを生み出します。
土壌は石灰質、粘土質、砂質など多様で、丘陵地が多く水はけも良好。昼夜の寒暖差が大きく、香り高くフレッシュなワインに仕上がります。
モルドバワインを代表するブドウ品種
フェテアスカ・アルバ(Fetească Albă)
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タイプ:白ワイン
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特徴:繊細な花の香り、柔らかい酸、ほんのり甘やかな果実味。
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おすすめの飲み方:8〜10℃に冷やして、前菜や魚料理と一緒に。
フェテアスカ・ネアグラ(Fetească Neagră)
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タイプ:赤ワイン
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特徴:ブラックチェリーやプラム、スパイスのニュアンス、まろやかなタンニン。
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おすすめの飲み方:16〜18℃で、煮込み料理やハードチーズと。
ララ・ネアグラ(Rara Neagră)
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タイプ:赤ワイン
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特徴:軽やかでフルーティー、酸は穏やかで飲みやすい。
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おすすめの飲み方:少し冷やしてカジュアルな肉料理やピザと。
国際品種
シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ソーヴィニヨン・ブランなども広く栽培され、土着品種とブレンドされることもあります。
世界市場でのモルドバワインの最新トレンド(2025年)
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輸出量増加:2025年1〜5月の輸出量は前年同期比で大幅増加。EU諸国や米国、ポーランド、チェコが主要輸出先。
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国際的評価:国際ワインコンクールで数千のメダルを受賞。特に土着品種の赤ワインが高評価。
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エコ化の推進:再生可能エネルギーの導入やオーガニック栽培面積の拡大。
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観光資源化:世界最大級の地下セラー「ミレスティ・ミーチ」「クリコヴァ」が観光名所として人気。
家庭で楽しむモルドバワイン
温度とグラス選び
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白ワイン:8〜12℃
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赤ワイン:16〜18℃
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グラスは白はチューリップ型、赤はボルドー型やブルゴーニュ型がおすすめ。
ペアリング例
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白(フェテアスカ・アルバ):シーフードパスタ、チキンソテー
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赤(フェテアスカ・ネアグラ):ビーフシチュー、ラムチョップ
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軽めの赤(ララ・ネアグラ):トマトソースのパスタ、ピザ
初心者におすすめの選び方
価格帯の目安
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1,500〜3,000円:日常用やカジュアルギフトに最適。
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3,000〜5,000円:特別な食事やワイン会に。
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5,000円以上:希少品種や限定ボトル。
ラベルの見方
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品種名をチェック(Fetească、Rara Neagrăなど)
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産地表示「IGP」「PDO」があると品質保証。
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「Dry(辛口)」「Semi-Dry(やや辛口)」などのスタイル表示も参考に。
まとめ:モルドバワインで食卓に新しい風を
モルドバワインは、土着品種の魅力と手頃な価格、そしてどこか素朴で温かみのある味わいが魅力です。まだ日本では珍しい存在ですが、だからこそ飲んだときの驚きと発見が大きいワイン。
次の週末、オンラインや輸入ワイン専門店でモルドバワインを探してみませんか?
グラスを傾ければ、遠く東ヨーロッパの風と歴史を感じるひとときが訪れるはずです。