「自然派ワイン」という言葉を聞いたことがありますか?これは、「ビオワイン」や「オーガニックワイン」とも呼ばれ、ここ数年で急速に人気が高まっています。自然派ワインの魅力は、化学物質を極力使わずに作られた、自然そのものの味わいを楽しめる点です。今回は、自然派ワインについての基本情報から、選び方、おすすめのワインまで、初心者でも分かりやすく紹介します。
1.自然派ワインとは?
自然派ワインは、化学肥料や農薬を使わずに育てたブドウを使い、できるだけ自然の力を活かして作られたワインです。ヨーロッパを中心に、自然派ワイン造りに取り組む生産者が増えています。特に健康志向が高まる中で、自然派ワインの人気も急上昇しています。
2.自然派ワインの定義と条件
自然派ワインには次のような特徴があります
有機栽培:化学肥料や農薬を使わずに育てられたブドウを使用します。有機栽培とは、土壌を豊かにし、自然の生態系を守る方法で作られる農法です。
自然酵母による発酵:工業的な酵母を使わず、ブドウ自身が持つ酵母で発酵させます。これにより、自然な風味が引き立ちます。
ろ過を行わない:澱(おり)を残したまま瓶詰めします。澱とは、発酵の過程でブドウの皮や種などが沈殿したもので、これが味わいに深みを与えます。
酸化防止剤の使用を控える:亜硫酸塩の使用を極力控えます。亜硫酸塩はワインの酸化を防ぐために使われる化学物質ですが、自然派ワインではその使用が最小限に抑えられています。
3.有機栽培の種類
ビオロジック
ビオロジック農法は、EUで認証された有機肥料を使用し、化学薬品を使わない一般的な有機農法です。この方法では、自然の力を最大限に活かしてブドウを育てます。
ビオディナミ(バイオダイナミック)
ビオディナミ農法は、天体の動きを考慮し、特定の調合物を使って土壌の活力を高める独特な農法です。この方法では、月の満ち欠けや星座の位置を参考にして農作業を行います。
リュット・レゾネ
リュット・レゾネは、必要なときにだけ最小限の農薬を使用する減農薬栽培のことです。化学物質の使用を減らし、環境への影響を最小限に抑えることを目指します。
サステーナブル
サステーナブル農法は、可能な限り化学肥料や除草剤を使わず、自然環境への影響を最小限に抑える持続可能な農法です。この方法では、長期的な視点で農地を守り続けることを目指します。
4.認証について
自然派ワインを見分けるためには、有機栽培の認証マークを確認することが重要です。代表的な認証マークには以下のものがあります
ユーロリーフ:EUの有機農業規則に基づく認証です。このマークがあるワインは、EUの厳しい基準をクリアしています。
エコセール:フランスのオーガニック認定機関による認証です。フランス国内で広く知られており、信頼性が高いです。
アグリカルチュールバイオロジック:フランス農業省による認証です。フランスの有機農産物にのみ与えられる信頼の証です。
デメテール:ビオディナミ農法による認証です。ビオディナミの厳しい基準を満たしたワインにのみ与えられます。
有機JAS規格:日本の有機農産物認証です。国内で生産される有機ワインに対する認証です。
5.自然派ワインの楽しみ方
しばらく休ませる
自然派ワインは清澄やろ過を行わないため、澱がたまります。購入後は瓶を立てて澱を沈めるためにしばらく休ませましょう。こうすることで、ワインの味わいが落ち着き、より美味しく楽しめます。
保管方法
自然派ワインは温度変化に敏感です。14度以下の暗所で保管するのが理想で、ワインセラーがない場合は冷蔵庫の野菜室で保管すると良いでしょう。温度が安定している場所が最適です。
開けたらその日に飲まなきゃだめ?
開けた日に飲み切れなくても、コルクをしっかり閉めて冷蔵庫に入れておけば数日は大丈夫です。酸化が進むのを防ぐため、できるだけ早めに飲み切ることをおすすめします。
飲むときの適温
赤ワインは14℃前後、白ワインは7~9℃が適温です。温度によって酸味や渋みが変わるため、適温を守ることが大切です。ワインの個性を最大限に楽しむためには、適切な温度で飲むことが重要です。
飲み方
ボトルの底に澱がたまっている場合、勢いよく注がずにゆっくりと注ぎましょう。澱が混ざると風味が変わってしまうため、注意が必要です。
自然派ワインは、地球環境にも、人間の健康にも優しい選択です。これを機に、一度試してみてはいかがでしょうか。今後もますます注目が集まる自然派ワインを、ぜひお楽しみください。