ナチュラルワインと聞くと「無添加」だと思っていませんか?実際にはナチュラルワインには少量の添加物が使用されることもあります。この誤解を解消するために、ナチュラルワインの本質と添加物の役割について詳しく解説します。
ナチュラルワインとヴァン・ナチュールの違い

ナチュラルワインの定義とは
ナチュラルワインの定義はまだ確立されていません。多くのメディアで「有機栽培のブドウを使い、添加物を減らして醸造したワイン」と紹介されていますが、ワインのプロの間でも意見が分かれます。
ナチュラルワインと呼ばれる条件
ナチュラルワインとされるワインは、多くの場合、生産者や販売者によって「ナチュラルワイン」として紹介されています。しかし、具体的な基準がないため、人によってその定義は異なります。
プロの現場での意見の違い
ワインのプロフェッショナルの間でも「ナチュラルワイン」の定義には多くの意見があります。主な議論のポイントは「農法」「醸造」「酸化防止剤」の3つです。
ナチュラルワインの農法
ナチュラルワインは、できる限り自然な農法で栽培されたブドウを使用します。代表的な農法には「ビオロジック(有機農法)」や「ビオディナミ」があります。これらは化学物質を使用せず、自然の力を活かした農法です。
醸造過程での介入
ナチュラルワインの醸造過程では、人為的な介入を最小限に抑えます。例えば、天然酵母を使用して発酵させ、フィルターを使わずに醸造することが一般的です。
酸化防止剤の使用
ナチュラルワインは完全に無添加ではありません。ごく少量の酸化防止剤として亜硫酸塩を使用することがあります。これは、酸化を防ぎ、健全なワインを保つために重要です。
酸化防止剤としての亜硫酸塩
亜硫酸塩は酸化防止剤として重要な役割を果たします。適量であれば人体に無害であり、ワインの品質を保つために使用されます。酸化を防ぎ、菌の繁殖を抑える効果があります。
二日酔いと頭痛の関係
ナチュラルワインは亜硫酸塩の使用が少ないため、二日酔いになりにくいと言われることがありますが、頭痛の原因となる生体アミンの量が多いこともあります。適量を楽しむことが大切です。
INAOのナチュラル方式ワイン
2019年、フランスのINAO(国立原産地および品質機関)は新たなワイン認証「ヴァン・メトド・ナチュール」を運用開始しました。これは、オーガニックやビオディナミ認証を取得し、亜硫酸塩の使用量を制限する基準を設けています。
ナチュラル方式以外のナチュラルワイン
ナチュラル方式の認証を取得していなくても、素晴らしいナチュラルワインはたくさんあります。これらのワインは、農法や醸造方法にこだわりを持つ生産者によって造られています。
ナチュラルワインのまとめ
ナチュラルワインには明確な定義がありませんが、自然農法や醸造での介入の少なさ、酸化防止剤の使用量が主な議論のポイントです。INAOの認証は一つの指標ですが、その他のナチュラルワインも見逃せません。
ナチュラルワインは無添加ではなく、ごく少量の添加物を使用することもあるという事実を理解することが大切です。これにより、ナチュラルワインの本質をより深く楽しむことができるでしょう。